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ひっそりヲタなはなし。 えば熱復活中(ミサ加持限定)。 ブログ内全ての無断複製及び転載を禁じます。
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ミサトは暫くの間座り込んだまま
加持の温もりが残る自身の体を抱きしめていた

しあわせだった大学生時代
加持が帰国してから一緒にいた時間

そして姿を消す前に会いに来てくれた加持

感傷的になりすぎていると分かっていても
加持との想い出が次々と脳裏に浮かび
やがて流れる涙を止めることが出来ず子供の様に泣きじゃくった


けれど時間は待ってくれない

腕時計の時間が目に入った
我に帰る

あと10分で集合時間だ
行かなくてはいけない

涙を拭って必要もないと分かっていたが薄く化粧をした
少しでも目の腫れをごまかす為に

もう一度持ち物のチェックをして執務室を出ようとしたその時
ポケットに見慣れたちいさな小瓶が入っていることに気づく

それは加持が学生時代にプレゼントしてくれたラベンダーの香水の瓶だった

中身は無くちいさなカプセルが入っている

ミサトは目を見開く


...加持くん


それが何を意味するのかはっきりとは分からなかった
でも加持がミサトに会いに来ただけではなく
何か重要な情報を伝えに来てくれたことだけは分かった


振り向いちゃいけない

加持くんは歩き出してる

わたしも追いつかなきゃ


体を引き摺るようにして執務室を出る
けれどミサトは前だけを向いていた

この先何が起こるのか分からなかった
恐らくは加持の言う通り
この先には容易に解決しがたい問題が待っているのだろう

でも生き残ったNERV職員や民間人を纏め
先の事を考えなければならない
初号機とシンジとレイの行方も心配でならなかった

自分に課せられた任務は重く厳しいものだけれど
逃げずに真っ正面から立ち向かう
ミサトはそう決意していた


そしていつか...追い付いてみせる

...加持くん


ケータイの着信音が鳴った

この状況下でもまだ機能してるんだ

ケータイを取り出しボタンを押しいつもと変わらぬ声で対応した


「...今向かっている所よ、状況は?」


ミサトは二度と戻らないことになる自分の執務室を後にして力強く歩み出した
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