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ひっそりヲタなはなし。 えば熱復活中(ミサ加持限定)。 ブログ内全ての無断複製及び転載を禁じます。
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大型戦艦の艦橋になる予定の空間
その一番上のデッキに二人の女性が休む間もなく動いていた。

整備を担当するリツコは次々と突貫工事で据え付けられる
コンピュータの整備作業を行い
指揮官であるミサトは空間全体を見て指示を出している。


「どれ位経ったかしら」

リツコは目の前のコンソールパネルをチェックし
手元のタブレットに書き込みをしながら言った。

ミサトは厳しい顔を崩さないまま視線をリツコに留め

「…半年ね」

一言、低い口調で答えた。

「そう…その前は二ヶ月音信不通だったわね」
「今回は長いわね...今ご…」

「…申し訳ないけれど」

ミサトは静かに、けれどきっぱりとした口調でリツコの話を遮った。

「…この話はやめてくれる?」

リツコは彼女の顔に暗い影を見る。

「分かったわ…」

そう答えると時計を確認して
彼女はすっかり口数少なくなった古い友人を気遣う。

「そろそろ時間だし、上がった方が良いわ」
「後は私が1人で大丈夫よ」

ミサトも時計を黙視し、デッキの下を確認した。

「悪いけど、そうさせてもらうわ」

彼女は感情を消した声を吐くと、そのまま部屋を後にした。


++++++++


ミサトは自室に戻ると、休憩することなく机に向かい
パソコンのモニターをに向かう。
しかしその目は別のものを見ていた。

半年…と即答出来る自分に弱さを感じる。

いつもひょっこり姿を見せていた加持。

一緒に過ごすことの出来る僅かな時間は
ミサトの支えになっていることは間違いなかった。

一旦姿を消すと、どこにいるのか、生きているのか分からない。

そして今回はその期間が長い気がする。

それでもミサトは強く思う。


(わたしは彼を待ち続けるだけの生き方など、決してしない)
(だから最前線で戦い続けることを、選んだんだもの)
(決して諦めない、未来も、貴方も)


そんな、何度も心の中で誓った言葉を呟きながら
痛い程に拳を握りしめ、睨むようにモニターを見つめていた彼女は
急にあたたかいぬくもりに包み込まれた。


++++++++


「そろそろ交代するわ」

休憩時間を終えたミサトは、リツコの背中に声をかけた。
打ち込み作業に没頭している彼女は手を休めず答える。

「もう少し仕上げてから仮眠するわ」

一段落付いてミサトの方を見ると
彼女の胸のペンダントが消えていることに気がつく。

少しだけ考えて…理解する。


(…そう無事だったのね)


リツコはホッとした、それでいて薄い笑みを浮かべると
すぐに仕事の顔に戻った。
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ヲタ徒然日記。
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