ひっそりヲタなはなし。 えば熱復活中(ミサ加持限定)。
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(・・・まるで雪みたい)
針槐樹の花は蝶のような形で可愛らしい
それぞれ寄り添って藤のようなぷっくりとした総を沢山付ける
その花は見頃を過ぎて雪のように花びらを散らしていた
(綺麗だなぁ)
(『ニセアカシア』なんて名前で呼ばれ何だか可哀相ね)
そんなことを思う
本当のアカシアの花は黄色くてミモザのようだけれど
わたしは白い花の針槐樹の方が好きだった
(雪か・・・)
最後に雪を見たのは14歳の時だった
父に連れられて行った南極で
・・・セカンドインパクトに遭遇した南極で
あの時は酷いブリサードだった気がする
あれ以来日本では雪が降らない
永遠に続くかと思うような夏が何年も続いた
昔の四季の様に少しずつ気温の変化が出始めた頃
生態系もそれと歩みを同じにするように戻り始めたが
それでも雪を見ることはない
針槐樹の並木道にぽつんと置かれたベンチにわたしは座り
雪のように散り続ける針槐樹の花びらを眺めていた
加持くんと別れよう・・・そう思った
けれど結論は出ていても
自分の気持ちをなかなか整理することが出来ずに
大学へ行った加持くんがいないアパートを抜け出して
ふらふらと宛てもなく歩く
抜けるような青い空が広がるこんな日は
どこまでも歩けるような気がして
気が付けばいつの間にかわたしは
この針槐樹の並木に紛れ込んでいたのだった
平日の昼間
学生が多いこの町だからか
誰もいない並木道
(・・・まるでわたしの為の様に散ってくれているみたい)
別れを切り出せない加持くんの為にも自分の為にも
わたしから離れるしかないのは分かっているのに
すっとどう告げたらいいのか言葉が見つからなかった
(嫌いな訳でもないのに・・・)
(何かこゆの変だよね)
加持くんが変わったのはいつからだったっけ
夜遅く泥酔して家に帰って来る日が多くなり
そのうちいろんな女のコと遊び歩いている噂が耳に入り
その中にわたしの友達の名前も混じっていて
もうどうしていいか分からなかった
でも友達のコトコやキヨミが
・・・というのも彼女達も加持くんに誘われてた
そんなふたりが荒れ気味のわたしに加持くんの事を話したのだった
『加持くんはミサトのことが一番大事なんだよ』
『わたしも達含めてどの女のコと遊んでいても
お酒入るとミサトとの惚気話になっちゃうんだもん』
彼女達は本当にわたしと加持くんの事を心配してくれていた
そんな友達に恵まれた事を感謝しつつも
本当に彼女達の言う通りなら
何故加持くんはわざわざわたしが誤解する事をするのだろう
ただわたしの中で結論はすぐに出た
加持くんはきっとわたしに嫌われようとしている
それはわたしから離れたいということだよね
付き合ってから2年が経とうとしていた
いつしか加持くんはあまり笑わなくなり難しい顔をする事が増えて
その視線の先にはわたしの知らない違う世界を見ているようで
それが父と重なった
南極で最期に見た父と
まるで父の様に家族を・・・わたしを顧みず
何処までも遠い所へ行ってしまうのではないかと
加持くんに父を重ねている事に恐怖を感じた
そしてわたしも忘れていた事に気づいた
あの時コトコが笑顔でわたしを励ます様に言ってくれたこと
『一番最初にゴールインするのはミサト達だと思ってるんだからね』
普通ならきっと嬉しいはずなのに・・・
その言葉にわたしは何故か安心する所か凍りついたのだ
加持くんが好き
もうどうしようもない位に
それなのに
わたしは加持くんとの今だけあれば良かった
その先・・・近い将来のことさえ何も考えられない
全く白紙、真っ白だ
あの時からずっと頭にあること
自分が何故助けられたのか
自分が何故独りぼっちになってしまったのか
自分が何故今生きているのか
わたしにはやるべき事があったはずで
その為にこの大学を選んだはずだった
そして先に見える物はそれしかなかったのに
見て見ない振りをして
その事を自分の何処かに封印してしまった
だって出会ってしまったのだ
最初はとんでもないヤツだと思ったし
付き合うなんてあり得ないって思ったのに
気がつけば加持くんとの恋に夢中になって
コントロールが効かなくなって溺れていった
でも今は
父親と加持くんを重ねて不安でたまらない事も
加持くんだけを見過ぎて自分の生きるべき道を忘れていた事も
目の前に突きつけられた現実なのだ
わたしの心は自己嫌悪と後悔でいっぱいになる
ふと一番頼れる友人の顔が浮かぶ
(全部話してしまおうかな・・・)
リツコの番号をケータイに表示してから画面を消す
(こればかりはリツコに相談するわけにもいかない・・・か)
もうすぐ夏休み
しかし今年のわたしにはそんな休みはない
夏休みに入ってすぐ大学を一時的に去る事になっていたからだ
その事を暫く口外してはいけない守秘義務もあった
(リツコにはきちんと後で連絡すれば分かってくれるよね)
わたしの荷物は少ないから大丈夫
アパートを引き上げたら余計な物は捨てて
すぐに寮に入るだけだし
(しっかし厳しいよな〜 )
(いきなり7月半ばからって早すぎだし)
なんて思うとなんだか自然に笑みが出た
けれどそんな自分の笑みとは反対に心の中は寂しかった
(・・・でもその方が忘れられるかもしれない)
ずっと加持くんと一緒にいるしあわせだけを感じていたかった
でもきっと加持くんはそれを望んでいない
わたしがだだを捏ねて加持くんにしがみついても彼が困るだけ
そしてわたしもこの先やるべき事が待っている
例え一緒にいられたとしても加持くんを巻き込む事は出来ない
(理由なんてなんとでも作ればいい)
わたしは自分に言い聞かす
(・・・ちゃんと終わらせよう、夏休みが始まる前には)
白い花びらはベンチに腰掛けているわたしにも次々と舞い降りてくる
針槐樹の花の香りは散りかけているとはいえ
並木道の空気を変えるほど強い
その甘さに加持くんを重ねる
今はむせ返るような香りに酔っていたかった
針槐樹の花は蝶のような形で可愛らしい
それぞれ寄り添って藤のようなぷっくりとした総を沢山付ける
その花は見頃を過ぎて雪のように花びらを散らしていた
(綺麗だなぁ)
(『ニセアカシア』なんて名前で呼ばれ何だか可哀相ね)
そんなことを思う
本当のアカシアの花は黄色くてミモザのようだけれど
わたしは白い花の針槐樹の方が好きだった
(雪か・・・)
最後に雪を見たのは14歳の時だった
父に連れられて行った南極で
・・・セカンドインパクトに遭遇した南極で
あの時は酷いブリサードだった気がする
あれ以来日本では雪が降らない
永遠に続くかと思うような夏が何年も続いた
昔の四季の様に少しずつ気温の変化が出始めた頃
生態系もそれと歩みを同じにするように戻り始めたが
それでも雪を見ることはない
針槐樹の並木道にぽつんと置かれたベンチにわたしは座り
雪のように散り続ける針槐樹の花びらを眺めていた
加持くんと別れよう・・・そう思った
けれど結論は出ていても
自分の気持ちをなかなか整理することが出来ずに
大学へ行った加持くんがいないアパートを抜け出して
ふらふらと宛てもなく歩く
抜けるような青い空が広がるこんな日は
どこまでも歩けるような気がして
気が付けばいつの間にかわたしは
この針槐樹の並木に紛れ込んでいたのだった
平日の昼間
学生が多いこの町だからか
誰もいない並木道
(・・・まるでわたしの為の様に散ってくれているみたい)
別れを切り出せない加持くんの為にも自分の為にも
わたしから離れるしかないのは分かっているのに
すっとどう告げたらいいのか言葉が見つからなかった
(嫌いな訳でもないのに・・・)
(何かこゆの変だよね)
加持くんが変わったのはいつからだったっけ
夜遅く泥酔して家に帰って来る日が多くなり
そのうちいろんな女のコと遊び歩いている噂が耳に入り
その中にわたしの友達の名前も混じっていて
もうどうしていいか分からなかった
でも友達のコトコやキヨミが
・・・というのも彼女達も加持くんに誘われてた
そんなふたりが荒れ気味のわたしに加持くんの事を話したのだった
『加持くんはミサトのことが一番大事なんだよ』
『わたしも達含めてどの女のコと遊んでいても
お酒入るとミサトとの惚気話になっちゃうんだもん』
彼女達は本当にわたしと加持くんの事を心配してくれていた
そんな友達に恵まれた事を感謝しつつも
本当に彼女達の言う通りなら
何故加持くんはわざわざわたしが誤解する事をするのだろう
ただわたしの中で結論はすぐに出た
加持くんはきっとわたしに嫌われようとしている
それはわたしから離れたいということだよね
付き合ってから2年が経とうとしていた
いつしか加持くんはあまり笑わなくなり難しい顔をする事が増えて
その視線の先にはわたしの知らない違う世界を見ているようで
それが父と重なった
南極で最期に見た父と
まるで父の様に家族を・・・わたしを顧みず
何処までも遠い所へ行ってしまうのではないかと
加持くんに父を重ねている事に恐怖を感じた
そしてわたしも忘れていた事に気づいた
あの時コトコが笑顔でわたしを励ます様に言ってくれたこと
『一番最初にゴールインするのはミサト達だと思ってるんだからね』
普通ならきっと嬉しいはずなのに・・・
その言葉にわたしは何故か安心する所か凍りついたのだ
加持くんが好き
もうどうしようもない位に
それなのに
わたしは加持くんとの今だけあれば良かった
その先・・・近い将来のことさえ何も考えられない
全く白紙、真っ白だ
あの時からずっと頭にあること
自分が何故助けられたのか
自分が何故独りぼっちになってしまったのか
自分が何故今生きているのか
わたしにはやるべき事があったはずで
その為にこの大学を選んだはずだった
そして先に見える物はそれしかなかったのに
見て見ない振りをして
その事を自分の何処かに封印してしまった
だって出会ってしまったのだ
最初はとんでもないヤツだと思ったし
付き合うなんてあり得ないって思ったのに
気がつけば加持くんとの恋に夢中になって
コントロールが効かなくなって溺れていった
でも今は
父親と加持くんを重ねて不安でたまらない事も
加持くんだけを見過ぎて自分の生きるべき道を忘れていた事も
目の前に突きつけられた現実なのだ
わたしの心は自己嫌悪と後悔でいっぱいになる
ふと一番頼れる友人の顔が浮かぶ
(全部話してしまおうかな・・・)
リツコの番号をケータイに表示してから画面を消す
(こればかりはリツコに相談するわけにもいかない・・・か)
もうすぐ夏休み
しかし今年のわたしにはそんな休みはない
夏休みに入ってすぐ大学を一時的に去る事になっていたからだ
その事を暫く口外してはいけない守秘義務もあった
(リツコにはきちんと後で連絡すれば分かってくれるよね)
わたしの荷物は少ないから大丈夫
アパートを引き上げたら余計な物は捨てて
すぐに寮に入るだけだし
(しっかし厳しいよな〜 )
(いきなり7月半ばからって早すぎだし)
なんて思うとなんだか自然に笑みが出た
けれどそんな自分の笑みとは反対に心の中は寂しかった
(・・・でもその方が忘れられるかもしれない)
ずっと加持くんと一緒にいるしあわせだけを感じていたかった
でもきっと加持くんはそれを望んでいない
わたしがだだを捏ねて加持くんにしがみついても彼が困るだけ
そしてわたしもこの先やるべき事が待っている
例え一緒にいられたとしても加持くんを巻き込む事は出来ない
(理由なんてなんとでも作ればいい)
わたしは自分に言い聞かす
(・・・ちゃんと終わらせよう、夏休みが始まる前には)
白い花びらはベンチに腰掛けているわたしにも次々と舞い降りてくる
針槐樹の花の香りは散りかけているとはいえ
並木道の空気を変えるほど強い
その甘さに加持くんを重ねる
今はむせ返るような香りに酔っていたかった
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昨日桜流し@宇多田ヒカルを聞いていたら
(ってゆ〜かほぼ毎日聞いている)
「Q」を一番最初に観た時は
何だかよく分からん展開もあったけれど
「桜流し」だけはダイレクトに心の中に入って来て
わたしは加持ミサのいろんなシーンが浮かんだんですよ
ホントはカヲシンがテーマだってわかってるさ〜
それで昔出した加持ミサの本の桜の話を思い出して
視点を変えてみたのです
昔のシナリオでは加持くんとリツコの会話から
大学の卒業式の話になり想い出話という展開だったのだけれど
その時リツコが見た加持ミサの視点にしたのは
桜の花びらの中にミサトを立たせてみたかったから
NHKで少し前に「はつ恋」というドラマやってたんですけれど
そこに立つヒロインの悲しさや美しさの映像が
目に焼き付いていたせいもあります
それに袴姿のミサトが描きたいって思いもあって
まだ下絵段階ですが
きっとあの世界は年中夏だし桜なんて
咲いてなかったのかもしれないけれど...
そいやよくコトコとキヨミはわたしの中に出て来ます
どんなコか分からないけれど
コトコは妹キャラでキヨミはおっとりお嬢様タイプなつもり
他にワタシ設定では大学3年生になって
加持くんと別れたミサトはとある事情で大学じゃない所で勉強
リツコはゲルヒンに通う事が多くなって
加持くんだけがサボりながらも大学に通ってる感じ
もしかしたら既に諜報活動の手がかりを見つけてるとか
ミサトとリツコは連絡を取り合ってるし
リツコと加持くんもたまには大学で話したかもしれないけれど
とにかく3人ともバラバラに別れてるイメージ...
なんだか寂しいけれどワタシの大学生時代もそんな感じで
3年生になると将来に向けて動いていたこともあって
仲良しだった友達とも遊ぶ時間が極端に減ったなぁとか
そんな想い出もなんとなく頭にある訳で
加持くんはいつもどこかで可能な限りミサトを見守っていたとか
そゆ設定がいつも頭にあってあんなハナシしか書けないのです
どうにかしてくっつけないか考えているんですけれどね
けどわたしなりに2人のしあわせ探しは続けていくつもりです
それにしても体調絶不調なのにブログ毎日休みなし
誰か褒めて褒めて←迷惑だっつ〜の
(ってゆ〜かほぼ毎日聞いている)
「Q」を一番最初に観た時は
何だかよく分からん展開もあったけれど
「桜流し」だけはダイレクトに心の中に入って来て
わたしは加持ミサのいろんなシーンが浮かんだんですよ
ホントはカヲシンがテーマだってわかってるさ〜
それで昔出した加持ミサの本の桜の話を思い出して
視点を変えてみたのです
昔のシナリオでは加持くんとリツコの会話から
大学の卒業式の話になり想い出話という展開だったのだけれど
その時リツコが見た加持ミサの視点にしたのは
桜の花びらの中にミサトを立たせてみたかったから
NHKで少し前に「はつ恋」というドラマやってたんですけれど
そこに立つヒロインの悲しさや美しさの映像が
目に焼き付いていたせいもあります
それに袴姿のミサトが描きたいって思いもあって
まだ下絵段階ですが
きっとあの世界は年中夏だし桜なんて
咲いてなかったのかもしれないけれど...
そいやよくコトコとキヨミはわたしの中に出て来ます
どんなコか分からないけれど
コトコは妹キャラでキヨミはおっとりお嬢様タイプなつもり
他にワタシ設定では大学3年生になって
加持くんと別れたミサトはとある事情で大学じゃない所で勉強
リツコはゲルヒンに通う事が多くなって
加持くんだけがサボりながらも大学に通ってる感じ
もしかしたら既に諜報活動の手がかりを見つけてるとか
ミサトとリツコは連絡を取り合ってるし
リツコと加持くんもたまには大学で話したかもしれないけれど
とにかく3人ともバラバラに別れてるイメージ...
なんだか寂しいけれどワタシの大学生時代もそんな感じで
3年生になると将来に向けて動いていたこともあって
仲良しだった友達とも遊ぶ時間が極端に減ったなぁとか
そんな想い出もなんとなく頭にある訳で
加持くんはいつもどこかで可能な限りミサトを見守っていたとか
そゆ設定がいつも頭にあってあんなハナシしか書けないのです
どうにかしてくっつけないか考えているんですけれどね
けどわたしなりに2人のしあわせ探しは続けていくつもりです
それにしても体調絶不調なのにブログ毎日休みなし
誰か褒めて褒めて←迷惑だっつ〜の
卒業式の彼女はとても綺麗だった
袴姿の女子学生はもちろん沢山いたけれど
薄くだけれど化粧をしきちんと髪を結ったミサトは
元々綺麗な顔立ちをしているから目立つし
今日はいつもの元気な彼女とはどこか違う雰囲気で
わたしはと言えば母親のお下がりの着物で
友人達には「渋過ぎる」とか「極道の妻」とか
同じ感想を延々と聞かされた
・・・いえ好みで選んだものだからいいのだけれど
ここまで同じ反応なら
いっその事派手な色の振り袖でも着れば良かったかと思う
卒業すればまた離れ離れになる
ミサトはドイツへわたしは第三東京市へ
母体は一緒でも全く違う部門の仕事をするのだから
配属が別々になるのは仕方ないけれど
やはり少し寂しい気がした
「ね、リツコ」
友人のコトコが私の袖を引く
「どうしたの」
彼女は声を潜めて私だけに聞こえるように言った
「・・・加持くんがいる」
「え?」
(リョウちゃんが・・・?)
最初は冗談かと思った
4年生になってからは全く学校で姿を見かけなくなっていた彼
もうおそらく論文だけしか残っていなかったはずだから
卒業していくのだろうと思っていたけれど
卒業式に姿を見せるとは思わなかった
コトコの言う通り確かにそこにリョウちゃんの姿を見つける
大学の校門の前にある学生の溜り場だった
レトロな喫茶店の敷地内に
セカンドインパクトも生き延びた大きな桜の木は
その存在感を示すようにこぼれ落ちそうな程の花を付けて
時々風が強く吹くので
耐えられない花びらはちらちらと美しく舞っていた
その大きな桜の幹の影に彼はいた
コトコに教えてもらわないと気づかない位に
隠れるようにして立っている彼
多くの男子生徒がそうしているように
卒業式用の正装・・・紋付袴やスーツの様な姿でなく
いつものラフな格好のままだったせいか
目立たず桜の木に溶け込んでいるようにも見えた
そして彼の視線の先には明るく無邪気に笑って
仲間と談笑しているミサトがいる
一瞬声をかけそうになってやめた
彼と別れた後のミサトを思うと
とても声をかける気になれなかったのだ
それに彼はミサト以外に視線を向けようとはしなかった
その様子を見て判断を請うコトコに目配せし
それ以上リョウちゃんのいる方向を見ないようにした
それが友人として正しい事なのかは分からなかったが
何より彼が姿を見せる事を極力避けている事が分かる
だからそうした方がいいと思ったのだ
卒業式に久々に仲間と集まったせいか話に夢中なミサトは
彼の気配に気が付いていないと思われた
卒業生がどんどん集まって華やかさが増す
時間になり式が行われる講堂へ入る前に振り返ると
もうリョウちゃんの姿は無かった
わたしは複雑な気持ちで式に望んだ
ミサトにリョウちゃんが来ていた事を
教えた方が良かった気がしたのだ
けれど式が始まると形だけだと思っていたのに
社会人になるのを改めて感じ背筋が伸びる気がして
暫しその事を忘れた
ちゃんとした卒業式に出たのは小学生の頃以来だろうか
中学生の時も高校生の時もこんな形式張った行事は無かったので
私は思わず目頭を熱くし自分でも驚いた
もっとも仲間は号泣していた
・・・特にミサトは私にがっちりしがみつき
せっかくのお化粧が取れてしまう位に泣きじゃくっていたけれど
そういえば私は母さんが出席してくれたけれど
ミサトの親族は誰もいなかった
だから彼女は余計に寂しかったのかもしれない
涙をポロポロ流すミサトにわたしも言葉が少なくなり
「今生の別れじゃないのよ」
と言うのが精一杯だった
わたしもこの友人と別れるのが辛くなっていたのだ
やがて式が終わりこの後の謝恩会へ急いだり
別れを惜しむ卒業生の声があちらこちらで聞こえ始めた頃
ミサトの姿が見えなくなっていることに気が付く
母にミサトを探してくると告げ
ミサトの行きそうな場所を探したが見つからない
講堂へ戻っているかもしれないと足を向けた
強い風に吹かれ桜の花びらが沢山わたしの方へ流れて来た
何気なく花びらが飛んで来た方向を見ると
リョウちゃんが隠れる様にミサトを見つめていた
あの満開の桜の木の下に彼女はいた
いつからそこにいたのだろう・・・ただ佇んでいる
そこにリョウちゃんはいない
けれど桜の木を愛しむ様に見つめているミサト
間違いなく彼女は彼を見ていた
ミサトは気づいていたのだろうか
あの時彼が他の誰にも見せない優しい顔で
貴女を見つめていたことを
そしてリョウちゃんは今
彼女がこの桜に貴方を重ねて見つめている事を
知っているのだろうか
私はふたりに結ばれた赤い糸を見た様な気がした
再び風が桜の木に流れその花びらがミサトを包み込むように舞う
ふたりの想いに答えるように舞った桜の花びらも
桜の木に溶け込む様な彼女もとても美しかった
その姿から目を逸らすことが出来ずに
私は彼女をいつまでも見つめていた
袴姿の女子学生はもちろん沢山いたけれど
薄くだけれど化粧をしきちんと髪を結ったミサトは
元々綺麗な顔立ちをしているから目立つし
今日はいつもの元気な彼女とはどこか違う雰囲気で
わたしはと言えば母親のお下がりの着物で
友人達には「渋過ぎる」とか「極道の妻」とか
同じ感想を延々と聞かされた
・・・いえ好みで選んだものだからいいのだけれど
ここまで同じ反応なら
いっその事派手な色の振り袖でも着れば良かったかと思う
卒業すればまた離れ離れになる
ミサトはドイツへわたしは第三東京市へ
母体は一緒でも全く違う部門の仕事をするのだから
配属が別々になるのは仕方ないけれど
やはり少し寂しい気がした
「ね、リツコ」
友人のコトコが私の袖を引く
「どうしたの」
彼女は声を潜めて私だけに聞こえるように言った
「・・・加持くんがいる」
「え?」
(リョウちゃんが・・・?)
最初は冗談かと思った
4年生になってからは全く学校で姿を見かけなくなっていた彼
もうおそらく論文だけしか残っていなかったはずだから
卒業していくのだろうと思っていたけれど
卒業式に姿を見せるとは思わなかった
コトコの言う通り確かにそこにリョウちゃんの姿を見つける
大学の校門の前にある学生の溜り場だった
レトロな喫茶店の敷地内に
セカンドインパクトも生き延びた大きな桜の木は
その存在感を示すようにこぼれ落ちそうな程の花を付けて
時々風が強く吹くので
耐えられない花びらはちらちらと美しく舞っていた
その大きな桜の幹の影に彼はいた
コトコに教えてもらわないと気づかない位に
隠れるようにして立っている彼
多くの男子生徒がそうしているように
卒業式用の正装・・・紋付袴やスーツの様な姿でなく
いつものラフな格好のままだったせいか
目立たず桜の木に溶け込んでいるようにも見えた
そして彼の視線の先には明るく無邪気に笑って
仲間と談笑しているミサトがいる
一瞬声をかけそうになってやめた
彼と別れた後のミサトを思うと
とても声をかける気になれなかったのだ
それに彼はミサト以外に視線を向けようとはしなかった
その様子を見て判断を請うコトコに目配せし
それ以上リョウちゃんのいる方向を見ないようにした
それが友人として正しい事なのかは分からなかったが
何より彼が姿を見せる事を極力避けている事が分かる
だからそうした方がいいと思ったのだ
卒業式に久々に仲間と集まったせいか話に夢中なミサトは
彼の気配に気が付いていないと思われた
卒業生がどんどん集まって華やかさが増す
時間になり式が行われる講堂へ入る前に振り返ると
もうリョウちゃんの姿は無かった
わたしは複雑な気持ちで式に望んだ
ミサトにリョウちゃんが来ていた事を
教えた方が良かった気がしたのだ
けれど式が始まると形だけだと思っていたのに
社会人になるのを改めて感じ背筋が伸びる気がして
暫しその事を忘れた
ちゃんとした卒業式に出たのは小学生の頃以来だろうか
中学生の時も高校生の時もこんな形式張った行事は無かったので
私は思わず目頭を熱くし自分でも驚いた
もっとも仲間は号泣していた
・・・特にミサトは私にがっちりしがみつき
せっかくのお化粧が取れてしまう位に泣きじゃくっていたけれど
そういえば私は母さんが出席してくれたけれど
ミサトの親族は誰もいなかった
だから彼女は余計に寂しかったのかもしれない
涙をポロポロ流すミサトにわたしも言葉が少なくなり
「今生の別れじゃないのよ」
と言うのが精一杯だった
わたしもこの友人と別れるのが辛くなっていたのだ
やがて式が終わりこの後の謝恩会へ急いだり
別れを惜しむ卒業生の声があちらこちらで聞こえ始めた頃
ミサトの姿が見えなくなっていることに気が付く
母にミサトを探してくると告げ
ミサトの行きそうな場所を探したが見つからない
講堂へ戻っているかもしれないと足を向けた
強い風に吹かれ桜の花びらが沢山わたしの方へ流れて来た
何気なく花びらが飛んで来た方向を見ると
リョウちゃんが隠れる様にミサトを見つめていた
あの満開の桜の木の下に彼女はいた
いつからそこにいたのだろう・・・ただ佇んでいる
そこにリョウちゃんはいない
けれど桜の木を愛しむ様に見つめているミサト
間違いなく彼女は彼を見ていた
ミサトは気づいていたのだろうか
あの時彼が他の誰にも見せない優しい顔で
貴女を見つめていたことを
そしてリョウちゃんは今
彼女がこの桜に貴方を重ねて見つめている事を
知っているのだろうか
私はふたりに結ばれた赤い糸を見た様な気がした
再び風が桜の木に流れその花びらがミサトを包み込むように舞う
ふたりの想いに答えるように舞った桜の花びらも
桜の木に溶け込む様な彼女もとても美しかった
その姿から目を逸らすことが出来ずに
私は彼女をいつまでも見つめていた
節分ネタ
感想頂けてびっくりでした
いえ嬉しいんです
本当に有り難うございましたm(_ _)m
でもネタ帳代わりにこのブログ使っている様なものなので
思いつきをそのまま書いたりしてると
字が間違っていたりとか
改行おかしかったりとか
なんだか情けない限りです
なので申し訳ない気持ちで一杯
少し手直しして自分のローカルHPにUPしたり
今の所は1人で楽しんでますが
そうだ
ツイでも言ってしまったんですが
加持ミサのR18だけだよ〜ってハナシはちとイヤ
ちゃんとミサトと加持くんがそこにいなきゃヤダ
ただそれだけってのはヤだとしみじみ思った
ホントまりゅさんはいいな〜って思う(唐突)
ちゃんとフラガさん帰って来てくれて
イチャイチャしてても違和感無いもん
もう貴女達はどこまでも仲良くして下さい遠慮なくv
でも加持ミサはそう簡単にいかないのだ
そんな頑固者なワタシ
感想頂けてびっくりでした
いえ嬉しいんです
本当に有り難うございましたm(_ _)m
でもネタ帳代わりにこのブログ使っている様なものなので
思いつきをそのまま書いたりしてると
字が間違っていたりとか
改行おかしかったりとか
なんだか情けない限りです
なので申し訳ない気持ちで一杯
少し手直しして自分のローカルHPにUPしたり
今の所は1人で楽しんでますが
そうだ
ツイでも言ってしまったんですが
加持ミサのR18だけだよ〜ってハナシはちとイヤ
ちゃんとミサトと加持くんがそこにいなきゃヤダ
ただそれだけってのはヤだとしみじみ思った
ホントまりゅさんはいいな〜って思う(唐突)
ちゃんとフラガさん帰って来てくれて
イチャイチャしてても違和感無いもん
もう貴女達はどこまでも仲良くして下さい遠慮なくv
でも加持ミサはそう簡単にいかないのだ
そんな頑固者なワタシ
「いいから少し黙れよ...ちゃんと言う事聞けって」
「ほら口開けて」
「こっち向かなきゃ駄目だって」
「ほら慌てちゃダメだってゆっくりでいいから」
「だって一遍にこんなの食べきるの大変なのよ」
ミサトは手渡された烏龍茶を流し込んだ
そして少し膨れた顔をする
加持は彼女のそんな膨れた顔も可愛いなと思う
「でもちゃんと食べたな」
空になったコップをミサトから受け取り
満足そうな顔を浮かべた
加持が器用に作った恵方巻
言われた通りの方角を向いてミサトは食べた
何処で揃えたのかきちっと7種類の具が入っていて美味しそうではあるが
少しずつでも全部休みなしで食べるのは大変だった
けれどニコニコしてミサトを見ている加持を見ると
ミサトはなんだかくすぐったい気持ちになる
こんなことしたの子供の頃以来だもんな...
母や父と一緒にいた時間は僅かだったけれど
幼い頃に節分に豆まきをしたり恵方巻きを食べたなと
家族がいた時のしあわせな想い出が脳裏をよぎり
懐かしい気持ちになる
けれどあまりに無防備な笑顔をミサトに向ける加持を見ているうちに
いつも通りなんだか加持のペースに巻き込まれているようで
心の中に宿ったあたたかい気持ちを必死に隠して憎まれ口を聞いた
「だって途中でやめたら願い事叶わないって加持くんが言ったんじゃない」
「食べるの本当に大変だったんだから」
ミサトは怒ってもいないのに唇を尖らせる
「ごめんごめん...もう少し小さく作れば良かったな」
「来年の参考にしとく」
「でもちゃんと最後まで食べてくれて嬉しいよ」
相変わらず加持は笑顔だった
来年...またこうして加持と恵方巻なんて食べてるんだろうか
ミサトはふと寂しくなる
このしあわせに溺れていたいと思う
なのにどうしてか分からないけれど
このままずっと加持と一緒にいられるとは思えなかった
だから感情のままに言葉がこぼれた
「だって途中で食べるのやめたら...縁も切れちゃうんでしょ」
「それは嫌だなって...思ったの」
ミサトはそのまま思った事を口にしてしまい真っ赤になる
慌てて加持から顔を背けた
一瞬加持の顔が真顔になった...が
すぐに満面の笑みになる
「可愛い事言うと襲うぞ」
加持はミサトを背中から抱きしめた
そして出来るだけ優しく頭を撫でる
この意地っ張りな愛おしい彼女が素直になる方法を
彼は良く分かっているのだ
「ま、豆まき...まだしてないよ...加持くん」
ミサトはそう言って最後の抵抗を試みるが
あっさり却下された
「それは後でな」
ふわっと包み込まれる様な加持のぬくもりに
ミサトは今度は素直に身を委ねた
「ほら口開けて」
「こっち向かなきゃ駄目だって」
「ほら慌てちゃダメだってゆっくりでいいから」
「だって一遍にこんなの食べきるの大変なのよ」
ミサトは手渡された烏龍茶を流し込んだ
そして少し膨れた顔をする
加持は彼女のそんな膨れた顔も可愛いなと思う
「でもちゃんと食べたな」
空になったコップをミサトから受け取り
満足そうな顔を浮かべた
加持が器用に作った恵方巻
言われた通りの方角を向いてミサトは食べた
何処で揃えたのかきちっと7種類の具が入っていて美味しそうではあるが
少しずつでも全部休みなしで食べるのは大変だった
けれどニコニコしてミサトを見ている加持を見ると
ミサトはなんだかくすぐったい気持ちになる
こんなことしたの子供の頃以来だもんな...
母や父と一緒にいた時間は僅かだったけれど
幼い頃に節分に豆まきをしたり恵方巻きを食べたなと
家族がいた時のしあわせな想い出が脳裏をよぎり
懐かしい気持ちになる
けれどあまりに無防備な笑顔をミサトに向ける加持を見ているうちに
いつも通りなんだか加持のペースに巻き込まれているようで
心の中に宿ったあたたかい気持ちを必死に隠して憎まれ口を聞いた
「だって途中でやめたら願い事叶わないって加持くんが言ったんじゃない」
「食べるの本当に大変だったんだから」
ミサトは怒ってもいないのに唇を尖らせる
「ごめんごめん...もう少し小さく作れば良かったな」
「来年の参考にしとく」
「でもちゃんと最後まで食べてくれて嬉しいよ」
相変わらず加持は笑顔だった
来年...またこうして加持と恵方巻なんて食べてるんだろうか
ミサトはふと寂しくなる
このしあわせに溺れていたいと思う
なのにどうしてか分からないけれど
このままずっと加持と一緒にいられるとは思えなかった
だから感情のままに言葉がこぼれた
「だって途中で食べるのやめたら...縁も切れちゃうんでしょ」
「それは嫌だなって...思ったの」
ミサトはそのまま思った事を口にしてしまい真っ赤になる
慌てて加持から顔を背けた
一瞬加持の顔が真顔になった...が
すぐに満面の笑みになる
「可愛い事言うと襲うぞ」
加持はミサトを背中から抱きしめた
そして出来るだけ優しく頭を撫でる
この意地っ張りな愛おしい彼女が素直になる方法を
彼は良く分かっているのだ
「ま、豆まき...まだしてないよ...加持くん」
ミサトはそう言って最後の抵抗を試みるが
あっさり却下された
「それは後でな」
ふわっと包み込まれる様な加持のぬくもりに
ミサトは今度は素直に身を委ねた